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職場における心とからだの健康づくりのための手引き

産業医の現場から

厚生労働省から、2021年3月に

「職場における心とからだの健康づくりのための手引き」(以下、THP指針)が

発表されていましたので、お知らせします。

◆THP指針の令和元年度(令和2年3月)の主な改正ポイントは、次の3つです。
1.従来の労働者「個人」から「集団」への健康保持増進措置の視点を強化
改正後のTHP指針では、これまでよりも幅広い労働者の健康保持増進の促進を目指しています。具体的には、すでに生活習慣上の課題がある労働者だけではなく、すぐには生活
習慣上の課題が見当たらない労働者やより良い生活習慣や健康状態を目指す労働者も対
象に含まれます。また、個々の労働者に限らず、一定の集団に対して活動を推進できるように「ポピュレーションアプローチ」の視点を強化しています。
2.事業場の特性に合った健康保持増進措置への見直し
改正後のTHP指針では、事業場の規模や業務内容、労働者の年齢構成などの特性に応じて、柔軟に健康保持増進措置の内容を検討し、実施できるように見直されています。
3.健康保持増進措置の内容を規定する指針から、取組方法を規定する指針への見直し
改正後のTHP指針では、(上記「事業場の特性に合った健康保持増進措置の見直し」のとおり)指針に基づく措置内容を柔軟化しました。一方で、PDCAサイクルの各段階において事業場で取り組むべき項目を明確にし、事業場が健康保持増進対策に取り組むための『進め方』を規定する指針へ見直されています。
 
◆THP指針の令和2年度(令和3年2月)の主な改正ポイントは、次のとおりです。
1.医療保険者と連携した健康保持増進対策
医療保険者と連携したコラボヘルスの推進が求められています。健康保持増進措置として労働者の健康状態を把握する際には、定期健康診断の結果などを医療保険者に提供する必要があること、そのデータを医療保険者と連携して事業場内外の複数の集団間のデータと比較した取組の決定などに活用することが望ましいことが明確化されました。

職場における心とからだの健康づくりのための手引き(2021年3月)