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令和3年の労働災害発生状況

産業医の現場から

厚生労働省から、「令和3年の労働災害発生状況」を発表していましたので、お知らせいたします。

1死亡者数 ※1
死亡者数は867人と、平成30年から令和2年までの3年間には13次防の目標の達成が可能となるペースでの減少となっていたものが一転して13次防の目標を達成できなかった。
13次防の重点業種では、建設業が288人(前年比30人・11.6%増、29年比35人・10.8%減)、製造業が137人(同1人・0.7%増、同23人・14.4%減)、林業が30人(同6人・16.7%減、同10人・25.0%減)となった。

2死傷者数 ※2
13次防の重点業種では、陸上貨物運送事業が16,732人(前年比917人・5.8%増、29年比2,026人・13.8%増)、小売業が16,860人(同1,519人・9.9%増、同2,979人・21.5%増)、社会福祉施設が18,421人(同5,154人・38.8%増、同9,683人・110.8%増)、飲食店が5,095人(同142人・2.9%増、同374人7.9%増)と前年比で増加した。
事故の型別では、新型コロナウイルス感染症へのり患による労働災害を除くと、特に死傷者数が最多の「転倒」(前年比2,743人・8.9%増、29年比5,362人・18.9%増)、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」(同1,656人・8.7%増、同4,600人28.4%増)で大きく増加した。
年齢別では、60歳以上が全死傷者数の約4分の1を占め、38,574人(前年比3,646人・10.4%増、29年比8,547人・28.5%増)となった。

3業種別の労働災害発生状況
製造業の死亡者数は、前年比で1人(0.7%)増加し、事故の型別では、機械等による「はさまれ・巻き込まれ」と「墜落・転落」が多くを占めている。
建設業の死亡者数は、平成29年以降減少傾向にあったが、前年比で30人(11.6%)増と大きく増加した。事故の型別では、「墜落・転落」が最も多く、「交通事故(道路)」(前年比12人・32.4%減、29年比25人・50%減)で減少した。
林業の死亡者数は、事故の型別では、最多である「激突され」(前年比1人・7.1%増、29年比6人・28.6%減)が前年比で増加したが、「墜落・転落」(同4人・44.4%減、同2人・66.7%増)等が前年比で減少した。
陸上貨物運送事業の死傷者数は、事故の型別では、「墜落・転落」が4,496人と最多で、「動作の反動・無理な動作」(同250人・9.1%増、29年比781人・35.5%増)及び「転倒」(209人・8.0%増、29年比573人・25.6%増)で増加した。
小売業、社会福祉施設及び飲食店の死傷者数は、新型コロナウイルス感染症へのり患によるものを除くと、いずれの業種も事故の型別では、「転倒」が全数の約3割前後を占め、多い。

※1死亡災害報告をもとに、死亡者数を集計。
※2事業者から提出される労働者死傷病報告書をもとに、休業4日以上の死傷者数を集計。
なお、これらの件数に通勤中に発生した災害の件数は含まない。
※31年間の労働者1,000人当たりに発生した死傷者数の割合。
1年間の休業4日以上の死傷者数/1年間の平均労働者数 ×1,000 で算出。

令和3年の労働災害発生状況を公表