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令和4年の労働災害発生状況を公表 ~死亡者数は過去最少、休業4日以上の死傷者数は過去20年で最多~

産業医の現場から

厚生労働省から5月23日付で「令和4年の労働災害発生状況」が発表されましたので、お知らせします。

【令和4年労働災害発生状況の概要】※1
1死亡者数 ※2
死亡者数は774人と、過去最少となった。
第13次労働災害防止計画(以下「13次防」という。)(平成30年度~令和4年度)の重点業種は、建設業が281人(前年比3人・1.1%増、29年比42人・13.0%減)、製造業が140人(同9人・6.9%増、同20人・12.5%減)、林業が28人(同2人・6.7%減、同12人・30.0%減)となった。
2死傷者数 ※3
・死傷者数は132,355人となり、過去20年で最多となった。
・13次防の重点業種は、陸上貨物運送事業が16,580人(前年比225人・1.4%増、29年比1,874人・12.7%増)、小売業が16,414人(同11人・0.067%減、同2,533人・18.2%増)、社会福祉施設が12,780人(同17人・0.13%減、同4,042人・46.3%増)、飲食店が5,304人(同559人・11.8%増、同583人・12.3%増)となった。
・事故の型別では、特に死傷者数が最多の「転倒」が35,295人(前年比1,623人・4.8%増、29年比6,985人・24.7%増)、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」が20,879人(同103人・0.50%増、同4,702人・29.1%増)を合わせて全体の4割を超え、さらに増加した。               
・年齢別では、60歳以上が全死傷者数の約4分の1を占め、37,988人(前年比1,618人・4.4%増、29年比7,961人・26.5%増)となった。
3業種別の労働災害発生状況
・製造業の死亡者数は、前年比で9人(6.9%)増加し、事故の型別では、機械等による「はさまれ・巻き込まれ」と「墜落・転落」が多くを占めている。
・建設業の死亡者数は、令和2年以降増加に転じており、前年比で3人(1.1%)増加した。事故の型別では、「墜落・転落」(前年比6人・5.5%増、29年比19人・14.1%減)が最も多く、「激突され」(同8人・42.1%増、同4人・17.4%増)、「飛来・落下」(同6人・60.0%増、同3人・15.8%減)が前年比で大きく増加した。
・林業の死亡者数は、事故の型別では、最多である「激突され」(前年比1人・6.7%増、29年比5人・23.8%減)等が前年比で増加したが、「飛来・落下」(同2人・50.0%減、同2人・50.0%減)が前年比で減少した。
・陸上貨物運送事業の死傷者数は、事故の型別では、「墜落・転落」が4,294人(前年比202人・4.5%減、29年比102人・2.4%増)と最多で、「動作の反動・無理な動作」(同44人・1.5%減、同737人・33.5%増)は前年比で減少したが、「転倒」(同104人・3.7%増、同677人・30.2%増)は増加した。
・小売業、社会福祉施設及び飲食店の死傷者数は、いずれの業種も事故の型別では、「転倒」が全数の3割以上を占め、多い。
※1死亡者数及び死傷者数は、いずれも新型コロナウイルス感染症へのり・患による労働災害を除いたもの。
※2死亡災害報告をもとに、死亡者数を集計。
※3事業者から提出される労働者死傷病報告書をもとに、休業4日以上の死傷者数を集計。なお、これらの件数に通勤中に発生した災害の件数は含まない。

令和4年の労働災害発生状況を公表