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健康づくりのための睡眠ガイド2023(案) 

産業医の現場から

厚生労働省の第3回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会において、健康づくりのための睡眠ガイド2023(案)が提案されていましたので、ご紹介いたします。

<成人>
⚫ 適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する。
⚫ 食生活や運動等の生活習慣や寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める。
⚫ 睡眠の不調・睡眠休養感の低下がある場合は、生活習慣等の改善を図ることが重要であるが、病気が潜んでいる可能性にも留意する。
 
<子供>
⚫ 小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保する。
⚫ 朝は太陽の光を浴びて、朝食をしっかり摂り、日中は運動をして、夜ふかしの習慣化を避ける。

<高齢者>
⚫ 長い床上時間は健康リスクとなるため、床上時間が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠時間を確保する。
⚫ 食生活や運動等の生活習慣、寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める。
⚫ 長い昼寝は夜間の良眠を妨げるため、日中は長時間の昼寝は避け、活動的に過ごす。
 
良質な睡眠のための環境づくりについて(案)
⚫ 日中にできるだけ日光を浴びると、体内時計が調節されて入眠しやすくなる。
⚫ 寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることが良い睡眠につながる。
⚫ 寝室は暑すぎず寒すぎない温度で、就寝1~2時間前に入浴し身体を温めてから寝床に入ると入眠しやすくなる。
⚫ できるだけ静かな環境で、リラックスできる寝衣・寝具で眠ることが良い睡眠につながる。
 
運動、食事等の生活習慣と睡眠について(案)
⚫ 適度な運動習慣を身につけることは、良質な睡眠の確保に役⽴つ。
⚫ しっかり朝食を摂り、就寝直前の夜食を控えると、体内時計が調整され睡眠・覚醒リズムが整う。
⚫ 就寝前にリラックスし、無理に寝ようとするのを避け、眠気が訪れてから寝床に入ると入眠しやすくなる。
⚫ 規則正しい生活習慣で、日中の活動と夜間の睡眠のメリハリをつけることで睡眠の質が高まる。
 
睡眠と嗜好品について(案)
⚫ カフェインの摂取量は1日400mg(コーヒーを700cc程度)を超えると、夜眠りにくくなる可能性がある。
⚫ カフェインの夕方以降の摂取は、夜間の睡眠に影響しやすい。
⚫ 晩酌での深酒や、眠るためにお酒を飲むこと(寝酒)は、睡眠の質を悪化させる可能性がある。
⚫ 喫煙(紙巻きたばこ、加熱式たばこ、電子たばこ)は、睡眠の質を悪化させる可能性がある。
 
女性の健康と良質な睡眠について(案)
⚫ 睡眠は月経周期の影響を受ける。
⚫ 妊娠中の睡眠は妊娠経過とともに変化し、胎児の健康にも影響する可能性がある。
⚫ 子育て期の睡眠も健康維持・増進には重要である。
⚫ 更年期には睡眠の悩みが再び増えやすい傾向がある。

健康づくりのための睡眠ガイド2023(案)